10周年記念だから劇場化されたのよね。【ALDNOAH.ZERO (Re+) at MOVIXさいたま】

今日からもう三月ですね。
今日明日は何と20℃まで気温が上昇した後、急速に10℃まで下がり火曜日は積雪予報まで出ていてまるで寒暖差によるジェットコースターで戦慄しますわ。

さて、今日は数時間前に観て来た映画のお話です。



観て来たのは10年前に放送されていたTVアニメ「ALDNOAH.ZERO」の総集編に新作映像「雨の断章」を加えた【ALDNOAH.ZERO (Re+)】です。
どんなお話かと言うと1972年、アポロ計画の最中、月面で火星との間を結ぶ古代文明の遺産「ハイパーゲート」が見つかり、火星への調査団を派遣したらその調査団が火星に突如「ヴァース帝国」を建国。1999年に二代目皇帝が地球と対峙して戦争が勃発。
その戦争の最中、突如「ハイパーゲート」が暴走を起こし月が砕ける大惨事「ヘブンズ・フォール」によって休戦。それから10年以上の歳月を重ねた2014年に再び、地球と「ヴァース帝国」の間で始まった戦争に巻き込まれる人々を描いた群像劇です。
 
今ではとんと描かれなくなった(双方共にカタフラクトと呼称される)人型以外も含む起動兵器同士の戦いではあるものの地球側がリアルロボットで火星側がスーパーロボット的扱いなので戦力差が著しい中、主人公である高校生・界塚伊奈帆の冷静沈着な対応と戦術でバッタバッタと火星側の起動兵器を打ち倒すカタルシスと戦火に翻弄されつつも描かれる悲喜こもごもな群像劇がTVシリーズの魅力だったのですがダイジェスト感が強すぎてやや残念でした。

構成として総集編部分は1クール240分ほどを40数分掛けて圧縮し2クール240分ほどを50数分に圧縮、新作の雨の断章とエンドロールで20数分と言う二時間でした。
そのせいで大好きなDEUCALIONの艦長と副長のやり取りは一回だけに留まったのを筆頭に背景を描く事が滅茶苦茶に圧縮されててTVシリーズをしっかり見返して臨まないと置いてけぼりを喰らいます。つまり、一見さん向けでは全く以てない構成なのでこれから観る方は要注意です(^_^)b


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「雨の断章」はTVシリーズから刻が流れて2017年6月、TVシリーズのラスト付近にもあった伊奈帆が投獄されたスレインを訪れるやり取りを拡張したものを中心に自暴自棄になってるスレインの心の瓦解までを描くものでTVシリーズのエンドカットでもある3羽のウミネコ(伊奈帆とスレインとアセイラム)の部分を内面的に掘り下げたエピソードでした。 つまり無くてもTVシリーズは成立するけどあったらあったで良きって感じでしょうか。
問題なのは伊奈帆とスレインとアセイラムの関係性が描き切れてないので普通にTVシリーズを見て、その後に「雨の断章」が見られる様にサブスク展開してよってのが正直な感想です。  
予算を掛けられないけど10周年と言う事でやりました感が先に立つのが惜しいのと本作の良さがまるでスポイルしてしまってて実に切なかったです。救いは終盤の戦闘シーンが大画面で観られて良かった事でしょうか。
 
元がとても良いからこそ半端な劇場作品にはして欲しくなかったですなぁ。


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